心房細動

心房細動(しんぼうさいどう)とは?

心房細動とは脳梗塞の原因となる不整脈です。心房内の血流うっ滞、血栓形成、心臓から脳へ血栓が飛ぶと心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)という重症型の脳梗塞の原因になります。寝たきり、要介護になるリスクが高く、第一に予防が重要です。動悸等の自覚症状がある場合が半数、半数は自覚症状がなく健診等で見付かります。発作性、持続性、慢性、永続性の病型分類があります。

1、確定診断、病型分類、可逆的要因の評価、弁膜症性心房細動か非弁膜症性心房細動か、心不全、脳梗塞の有無の評価のために必要に応じて心電図、ホルター心電図、採血、心エコー、冠動脈CT・心臓MRI、頭部MRIがあります。

2、「CHADS2スコア」「CHA2DS2-VAScスコア」にて血栓リスクの評価、血栓予防療法を開始します。

3、心房細動の根治治療、カテーテルアブレーション治療を考慮します。

心房細動の原因、可逆的要因

心房細動の最大の原因は加齢です。50代、60代以降で急増します。30代、40代は稀ですが、強いストレス負荷で出現することがあります。加齢以外の要因として虚血、弁膜症(弁膜症性心房細動)、高血圧、アルコール多飲、喫煙、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能異常等があります。必要に応じてスクリーニングを追加します。

心房細動の薬物療法

血栓予防療法:
・直接経口抗凝固薬(DOAC):イグザレルト、リクシアナ、プラザキサ、エリキュース
・ビタミンK拮抗薬(VKA):ワーファリン(ワルファリン)

心拍数高値の場合、頻脈誘発性心筋症(TIC)予防のため心拍数コントロール
・メインテート(ビソプロロール)、アーチスト(カルベジロール)、ワソラン(ベラパミル)、ヘルベッサー(ジルチアゼム)、他

カテーテルアブレーション治療

心房細動の根治治療です。最短2泊3日の入院、心房細動の原因となる電気回路を熱または冷却によって電気的に焼灼します。カテーテルアブレーション専門病院に紹介します。治療成績は年々向上しており、現在は第一選択の治療選択肢です。

心房細動の治療は日進月歩で毎年のようにアップデートがあり、一昔前の治療方針は古くなっている場合もあります。わからないことがあればお気軽にご相談ください。