冠攣縮性狭心症

冠攣縮性(かんれんしゅく)狭心症とは?

(1)冠動脈狭窄症(2)冠攣縮性狭心症
冠動脈の狭窄が原因冠動脈の痙攣が原因
動脈硬化が原因
(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢)
動脈硬化と関係なくても起こる
(血管が痙攣を起こしやすい体質)
労作性狭心症
「労作で悪化、安静で軽快」が特徴
多彩(安静時、夜間、朝、喫煙、受動喫煙、ストレス、アルコール、睡眠時無呼吸、寒冷刺激、女性ホルモン変化等)

冠動脈CTまたは心臓MRI検査で診断可能
非発作時の検査は全て「異常なし」
症状出現時のニトログリセリン反応性で判定

冠攣縮性狭心症の診療の進め方

「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」に従います。
(1)冠動脈狭窄症の除外:冠動脈CTまたは心臓MRIにて冠動脈狭窄の有無を判定

(2)冠攣縮性狭心症の可能性を評価:即効性血管拡張薬(ニトログリセリン)反応性、ホルター心電図記録等、いきなりカテーテル検査ではなく反応を見ながら診療を進めていくスタイルを「治療的診断」「臨床診断」と言います。

(3)確定診断:カテーテル検査「冠攣縮誘発検査」、カテーテル専門病院へ紹介

冠攣縮性狭心症の治療

冠攣縮性狭心症

1、冠攣縮性狭心症の発作予防:持続性血管拡張薬
・カルシウム拮抗薬:コニール(ベニジピン)、アダラート(ニフェジピン)、ヘルベッサー(ジルチアゼム)、ワソラン(ベラパミル)、他
・持続性硝酸薬:ニトロール、フランドルテープ、他
・シグマート(ニコランジル)
・αβ遮断薬:アーチスト(カルベジロール)、他
・冠攣縮抑制作用を期待して:ローコール(フルバスタチン)、マグネシウム、他
2、冠攣縮性狭心症の発作時:即効性血管拡張薬
・即効性硝酸薬:ニトロペン舌下錠、ミオコールスプレー

冠攣縮性狭心症の治療は個人差が大きいのが実際です。お茶の水循環器内科の経験からは、カルシウム拮抗薬のうちコニール(ベニジピン)、アダラート(ニフェジピン)、ヘルベッサー(ジルチアゼム)の反応が良い印象です。ニトログリセリンは耐性化に注意して使用します。フランドルテープは貼る時間や面積で細かな調整が可能で有用です。シグマート(ニコランジル)は「虚血プレコンディショニング効果」という長期効果が知られています。β遮断薬単独は悪化させる可能性があると言われていますが、少量のαβ遮断薬アーチスト(カルベジロール)が著効するケースがあります。ローコール(フルバスタチン)が冠攣縮を抑制したという日本のデータがあり、脂質異常症もある場合は良い適応です。

喫煙、受動喫煙、ストレス、アルコール、睡眠時無呼吸、寒冷刺激、女性ホルモン変化等が悪化因子です。特に禁煙、生活習慣の見直しは薬物療法と同じかそれ以上に重要です。

微小血管狭心症

冠動脈造影で撮影可能なサイズ未満の血管の攣縮による心筋虚血が原因だと考えられていますが、診断方法はまだ研究段階です。確定診断は難しいのが現状で、治療反応性による治療的診断がメインです。治療は冠攣縮性狭心症に準じます。