狭心症

狭心症とは?

狭心症とは心筋虚血(心臓の筋肉に十分な血液が届かないこと)が原因で、狭心症発作を起こす病気です。冠動脈を直接調べる検査には(1)冠動脈CT、(2)心臓MRI、(3)冠動脈カテーテルの3つがあります。
(3)冠動脈カテーテル:検査兼治療、入院が必要

冠動脈狭窄率の判定と治療方針

・完全閉塞(100%):急性心筋梗塞(緊急カテーテル)、慢性完全閉塞(準緊急カテーテル)、血行再建
・重度狭窄(90-99%):緊急カテーテル、血行再建
・有意狭窄(75%):準緊急カテーテル、虚血評価、血行再建
・Borderline狭窄(50-75%):待機的カテーテル、虚血評価
・中程度狭窄(50%):冠危険因子の管理、1-2年後フォロー
・軽度(25%):冠危険因子の管理、5年後フォロー
・狭窄なし(0%):正常、10年後フォロー

冠動脈CT、心臓MRIの使い分け:
(1)冠動脈CT:精度0.4-0.5mm、放射線あり、ヨード造影剤あり、10-15分
(2)心臓MRI:精度0.6-1.2mm、放射線なし、ヨード造影剤なし、30-45分、閉所、詳細な心筋評価が可能(ガドリニウム造影剤ありの場合)

虚血判定と血行再建の適応

Borderline狭窄(狭窄率50-75%)の場合は虚血評価から血行再建の適応を判断します。
心筋虚血の有無の判定:
心臓造影MRI、心筋シンチグラフィ、冠血流予備量比(Fractional flow reserve: FFR)、等

虚血陽性を認めた場合、血行再建へ進み、バルーン拡張、ステント留置等を施行します。

冠危険因子(coronary risk factor)とは?

冠動脈CT

冠危険因子は冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)のリスク評価指標です。
・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・喫煙(過去の喫煙、受動喫煙含む)
・大量飲酒(適量飲酒はOK)
・睡眠時無呼吸症候群
・肥満、運動不足
・加齢、家族歴、その他
冠危険因子が多いほどリスクが高く、少ないほどリスクは低いです。