心不全とは?
心不全とは様々な原因で心臓の機能が弱っている状態のことです。
原因は虚血、弁膜症、高血圧の3つが代表的です。他の原因として心筋炎、心筋症、不整脈、先天性心疾患、肺高血圧、甲状腺機能異常、重症貧血、薬剤性等があります。
心不全の治療
心不全の治療は原因によります。
・虚血性の場合は虚血の解除が優先です。
・弁膜症性の場合は弁膜症の治療が優先です。
・高血圧性の場合は降圧が優先です。
・不整脈性の場合は不整脈の治療です。
薬物療法としてはβ遮断薬、SGLT2阻害薬、MRA、ARNI、ACE阻害薬/ARB、hANP、利尿薬等があります。
心不全の分類としては、急性、慢性、左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(HFrEF)、左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)、NYHA心機能分類、Forrester分類、Nohria-Stevenson分類、クリニカルシナリオ分類があります。
NT-proBNP/BNPとは?
NT-proBNP/BNPとは心機能の採血検査マーカーです。心臓から分泌されるホルモンで、心臓への負担の程度に応じて分泌されます。非常に有用な検査項目ですが、一般の健診では調べないため追加で検査が必要です。
NT-proBNP/BNPの上昇を認めた場合、心エコー、心臓MRI等にて原因を調べます。
心エコーとは?
心エコーとは超音波で心臓の動き、心機能、弁、筋肉を調べる検査です。
利点は被曝がないこと、無侵襲であること、費用が安いことから頻回の経過観察に適していることです。欠点は冠動脈の情報が直接手に入らないことです。冠動脈を評価したい場合は冠動脈CTまたは心臓MRIが向いており、必要に応じて併用します。検査の使い分けに関しては医師へご相談ください。
心拡大とは?
心拡大とは胸部レントゲンにて心胸比(CTR)が50%以上に拡大している所見です。正常な心胸比は50%未満です。心拡大は心臓に何らかの負担が掛かると出現します。
原因は心不全、高血圧、急な体重変化、睡眠中無呼吸等、心臓以外が原因の場合もあります。レントゲンで心拡大を認めた場合、心疾患か心臓以外か、心拡大の原因を調べることが重要です。