高血圧の診断
「高血圧治療ガイドライン」では家庭血圧140/90以上で高血圧の診断です。160/100以上中程度、180/110以上重度高血圧です。診断は家庭血圧が大切です。
高血圧の原因
高血圧の原因は大きく(1)生活習慣と(2)二次性高血圧の2つです。
(1)生活習慣:
・禁煙は喫煙者の最も有効な降圧方法です。
・飲酒は適量(男性25g、女性20g未満)で血圧低下、適量以上で上昇です。
・減塩は一日6g未満目標です。塩分摂取量の可視化には「あすけん」が有用です。
・運動は有酸素運動、毎日30分以上または週3日以上が目標です。
・ストレス、寝不足、寒暖差、怒り、痛み等も血圧上昇作用です。
(2)二次性高血圧とは特定の原因がある高血圧です。
1、内分泌性(レニン、アルドステロン、カテコラミン、コルチゾール、甲状腺、等)
2、睡眠時無呼吸症候群
3、腎血管性(腎動脈狭窄症)
4、薬剤性高血圧(サプリメント、漢方、健康食品含む)
5、その他、中枢神経性、稀な遺伝性疾患など
治療方針が大きく変わるため二次性高血圧のスクリーニングは大切です。
高血圧の薬
治療目標は130/85未満、理想は120/80未満です。
・カルシウム拮抗薬:アムロジン(アムロジピン)、アダラート(ニフェジピン)、他
・ARB:アジルバ(アジルサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)、他
・ACE阻害薬:レニベース(エナラプリル)、他
・β遮断薬:アーチスト(カルベジロール)、メインテート(ビソプロロール)、他
・利尿薬:フルイトラン(トリクロルメチアジド)、他
・MRA:アルダクトン(スピロノラクトン)、セララ(エプレレノン)、ミネブロ(エサキセレノン)
・ARNI:エンレスト(サクビトリルバルサルタン)
・その他:ラジレス(アリスキレン)、アプレゾリン(ヒドララジン)、他
冠危険因子(coronary risk factor)
高血圧は冠動脈疾患の危険因子です。
・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・喫煙(過去の喫煙、受動喫煙含む)
・大量飲酒(適量飲酒はOK)
・睡眠時無呼吸症候群
・肥満、運動不足
・加齢、家族歴、その他
高血圧の治療と同時に、複数の冠危険因子を認める場合、冠動脈CT、心エコー、頭部MRI、頸動脈エコー、大動脈CT、腎動脈MRI等によって血管の状態を評価します。