大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症(AS)とは大動脈弁が正常に開かなくなる病気です。原因は加齢、動脈硬化、二尖弁、リウマチ性があります。進行すると狭心症、失神、心不全に至ります。合併症として感染性心内膜炎があります。診断は心エコーです。
手術適応は狭心症、失神、心不全の臨床症状、大動脈弁口通過最高血流速度4.0m/s以上、収縮期平均圧較差40mmHg以上、弁口面積1.0cm2以下、弁口面積係数0.6cm2/mm2が目安です。無症候性は左室駆出率50%未満が目安です。
手術は大動脈弁置換術、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)があります。
手術適応に至らない場合は経過観察、3ヶ月、半年、1年、2年が目安です。
進行抑制は血圧管理です。
大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁閉鎖不全症(AR)とは大動脈弁が正常に閉じなくなる病気です。原因は加齢、動脈硬化、リウマチ性、二尖弁があります。進行すると心不全に至ります。合併症として感染性心内膜炎があります。診断は心エコーです。
手術適応は心不全症状、左室駆出率50%未満、左室収縮末期径(LVDs)50mm以上、左室拡張末期径(LVDd)70mm以上が目安です。
手術は大動脈弁置換術です。
手術適応に至らない場合は経過観察、3ヶ月、半年、1年が目安です。
進行抑制は血圧管理です。
僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症(MS)とは僧帽弁が正常に開かない病気です。原因は多くがリウマチ性です。小児期のリウマチ熱後、15年以上の無症状期を経て僧帽弁狭窄症を発症します。進行すると肺高血圧、心不全に至ります。合併症として心房細動があります。診断は心エコーです。
手術適応は心不全症状、僧帽弁弁口1.5cm2面積未満、収縮期肺動脈圧60mmHg以上、僧帽弁平均圧較差15mm以上、心房細動の出現、血栓塞栓症が目安です。
手術は僧帽弁置換術、直視下交連切開術、経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術(PTMC)があります。
手術適応に至らない場合は経過観察、半年、1年が目安です。
進行抑制は血圧管理です。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症(MR)とは僧帽弁が正常に閉じなくなった病気です。原因は加齢、僧帽弁逸脱症(MVP)、リウマチ性があります。合併症として心房細動があります。診断は心エコーです。
手術適応は心不全症状、左室駆出率(LVEF)60%未満、左室収縮末期径(LVDs)40mm以上、心房細動の出現、肺高血圧症の出現が目安です。
手術は僧帽弁置換術、僧帽弁形成術、経カテーテル僧帽弁クリップ術「MitraClip」があります。
手術適応に至らない場合は経過観察、半年、1年が目安です。
進行抑制は血圧管理です。